2022/07/14 14:45


私の彫刻の教室の前には、大きな鋳物の門と石の階段があり、照明も昔のままでこの階段を見ると上に登らないといけないという気にさせられました。ある時は、パニーノを食べる為に階段に友人たちと話をするのに座ったり、図書館に来る見知らぬ紳士が来て話をしたり。ある意味、不思議な事に学ぶ事より、このような日常の方が記憶に残っています。

教室は、2階建ての彫刻の教室ですので、水場、粘土がごっそりと放置されていました。各々の石膏袋が散乱し、彫刻台は好きな所に配置。何とも雑然とした場所でした。この整っていない環境で、「さあ、やる気があるなら頑張ってみなさい」とこの教室で学んだ沢山の芸術家に言われているような気がするような場所でした。

 私は、夕方遅くまで教室に居る事が多く、自分の場所となっていました。小さな粗末な椅子に座り、どこを歩いても汚れるので必ず作業着を着て教室にある高い窓を見ながら製作に勤しんでおりました。学内には当時、様々な国籍の学生達が居て、様々な芸術の考え方を知り、刺激を受けそれに対して素直に意見を言う機会が多々ありました。ふり返るとかなり個性的なイタリア人の教授が多く、楽しさと厳しさを身を持って学びました。

alla prossima..per gli studenti d'arte